社内の総務の問い合わせにAIで答える仕組みを作るには|選び方と進め方
社内の総務の問い合わせにAIで答えたいなら、まず「就業規則に書いてあることに答える部分」と「その社員本人のデータで答える部分」を分けて考えます。前者は規程を読ませて、何条に書いてあるかを添えて答える仕組みで作れます。後者は勤怠や給与のデータとのつなぎ込みが要ります。選ぶときは、答えに出典が付くか、書いていないことを断定しないか、社員がどこから聞くか、作った後の更新を誰がやるか、を見ます。
結論
- 最初に線を引きます。「有給は何日もらえる?」は規程で答えられます。「私の有給は、あと何日?」は本人のデータが無いと答えられません。
- 規程に答える部分は、回答に条番号などの出典が付き、書いていないことは総務へ回す作りかどうかで選びます。
- 社員が聞く入口は、新しいアプリやIDを増やさない形のほうが使われやすくなります。いつものLINEで聞ける仕組みもあります。
- 作った後の運用(規程の改定の入れ替え、答えられなかった質問の追加)を誰が続けるかを、作る前に決めます。
まず線を引く:規程に答える部分と、本人のデータで答える部分
総務に届く質問は、大きく2つに分かれます。
1つ目は、就業規則や諸規程に書いてあることです。有給の付与日数、慶弔休暇の日数、年末調整の締切などです。これは規程の文を読ませれば、AIが答えられます。
2つ目は、その社員ひとりのデータを見ないと答えられないことです。「私の有給は、あと何日?」「有給を1日申請したい」「先月の給料、少なかったのはなぜ?」などです。これには、本人確認と、勤怠・給与のデータとのつなぎ込みが要ります。
ここを曖昧にしたまま入れると、導入した後に「思っていたのと違う」が起きます。たとえば「残りの日数まで分かる」と思って入れたのに、実際は規程の文しか読めない、という食い違いです。どちらの質問が多いかを、先に数えておくと選びやすくなります。
選び方:何を見て比べるか
頼み先や作り方を比べるときは、次の点を相手に聞くか、デモで確かめます。
答えに出典が付くか
「その答えは規程の何条か」が回答に付くかを見ます。出典があれば、社員も総務もその場で原文を確かめられます。デモで、規程に書いてある質問を2〜3個聞いてみて、条番号が付くか、その条を開けるかを確かめます。
書いていないことをどう扱うか
規程に無いことや、判断が要ることを聞かれたときに、AIがそれらしい答えを作ってしまうと困ります。「書いていないことは断定せず総務へ回す」作りかどうかを聞きます。デモで、わざと規程に無いことを聞いてみるのが早い確かめ方です。
本人の数字を作らないか
残日数のような本人の数字を、データにつないでいないのに答えてしまわないかを見ます。つないでいない段階では「確認先を案内する」動きになっているかを確かめます。
社員がどこから聞くか
社員に新しいアプリを入れてもらう、IDとパスワードを配る、といった形だと、使われ始めるまでに手間がかかります。普段使っている道具から聞けるかを確かめます。
作った後の更新を誰がやるか
規程は改定されます。答えられなかった質問も出てきます。この入れ替えと追加を、自社でやるのか、頼み先がやるのか、その費用は月額に含まれるのかを聞きます。
本人のデータを扱うなら、ほかの社員の分を答えない仕組みがあるか
勤怠や給与とつなぐ場合は、本人確認の方法と、ほかの社員のデータを聞かれたときにどうなるかを確かめます。どのデータをつなぐかを会社側で決められるかも聞きます。
作り方・頼み先の種類
よくある形を3つに分けて、向き不向きを並べます。
| 種類 | 向いている会社 | 気をつけること |
|---|---|---|
| LINE公式アカウントの自動応答(事前に登録したQ&Aから返す) | よく来る質問が決まっていて、数が少ない会社 | その社員の数字で答えることと、申請書づくりはできません。質問と答えは自分たちで登録します |
| 社内で自分たちで作る | 社内にIT担当がいて、作った後の答え合わせと更新を続けられる会社 | 作って終わりではなく、規程の改定の入れ替えと、答えられなかった質問の追加を誰かが続ける必要があります |
| 規程を預けて、設定と運用を頼む | 総務の担当が少なく、専任のIT担当がいない会社 | どこまで頼み先がやるか、月額に何が含まれるか、本人のデータまで扱うかを先に確かめます |
規程に答えるだけなら、LINE公式アカウントの機能で近いことができます。一方で、本人の数字で答える、申請書を作って回す、まで求めるなら、勤怠・給与とつなぐ仕組みが要ります。自社の問い合わせがどちらに寄っているかで、選ぶ種類が変わります。
導入までの進め方
規程に答える仕組みを入れる場合、だいたい次の順で進みます。
- 就業規則と諸規程を集める。Word・PDF・紙をスキャンしたものなど、いまある形のままで始められる頼み先もあります。
- よく出る質問で答え合わせをする。実際に出そうな質問を並べて、正しい条文を引けているかを確かめます。ここが品質の本体です。
- 社員が聞く入口を用意して、案内する。LINEで聞く形なら、社員は友だち追加をするだけです。
- 使いながら足していく。答えられなかった質問を記録して、毎月足していきます。使うほど答えられる範囲が広がります。
本人のデータで答える段階まで進める場合は、これに加えて、社員台帳の取り込み、勤怠・給与のシステムからどの形でデータを出せるかの確認、申請書の様式と回す順番(上長から総務へ、など)の設定が入ります。手間がかかるのは、最初のつなぎ込みです。
マルタマーケティングの場合
弊社は、AI総務コンシェルジュ「KYRIE(カイリー)」を提供しています。社員の質問に、就業規則の何条に書いてあるかを添えて、LINEで答えるAIです。
規程に答える(ベーシック)
- 社員はいつものLINEに話しかけるだけです。新しいアプリもIDも増えません。御社がLINE公式アカウントをお持ちなら、そこに乗せることもできます。
- 規程に書いてあることは、条番号を添えて答えます。出典を押すと該当の条文を開けます。
- 書いていないこと、判断が要ることは断定せず、総務へご案内します。
- 残日数のような本人のデータは、つないでいなければ答えません。確認先をご案内します。
- 規程の取り込み、想定問答の整備、LINEの設定は弊社が行います。規程の改定の入れ替えと、毎月の質問の追加は月額に含みます。
- 御社にお願いするのは、就業規則と諸規程をいまある形のままお預けいただくことだけです。導入時には、想定質問で弊社が全件の答え合わせをします。
本人のデータで答え、申請書を回す(アドバンス)
アドバンスは導入先ごとにつないで作る段階で、社名を出せる事例はまだありません。いまはデモを触っていただけます。
- 社員番号で一度つなげば、有給の残り、先月の給料の中身、通勤手当、年末調整で出す書類まで、その社員のデータでLINEが答えます。
- 申請書は台帳の値を入れて作り、上長と総務へ回します。申請書の残りの日数・新しい通勤手当・期限・支払日は、AIではなく仕組みが計算します。
- 答えるのは、つながっている本人の分だけです。本番の本人確認は、社員番号だけでなく、総務がお渡しする確認コードなど2つ以上で確かめます。
- つなぐデータは、御社と決めたものだけです。勤怠のシステムとつないだ場合は、勤怠への入力も自動にできます。
できないこと・やらないこと
- ベーシックでは、本人の残日数で答えることや、申請を自動で行うことはできません。これはアドバンスで勤怠・給与のシステムとつないだ場合の話です。
- 「年末調整の締切は明日です」のように、聞かれる前にお知らせする機能は準備中です。
- 体調、退職、上司に言いにくい相談など、判断が要ることには答えを作らず、総務や相談窓口へつなぎます。
- 申請が勤怠のシステムの上で通るところまで自動にするには、御社のシステムとの接続が要ります。つながない場合は、総務が勤怠に入れる形になります。
- 総務の人員を減らすための仕組みではありません。減らすのは、同じ質問が何度も人に届くことです。
- 社名を出せる導入事例はまだありません。規程に答える部分は、弊社の顧客企業で実際の規程を入れて動かしている事例があります(利用はまだ小規模です)。
ベーシックとアドバンスは〜150名の会社向けです。151名以上の法人や、会社・事業所ごとに規程が分かれる法人はエンタープライズとして個別にお見積りします。料金はKYRIEのページとアドバンスのページに載せています。どちらのページでも、架空の会社の就業規則や社員データで動くデモを、無料・登録不要で試せます。
よくある質問
AIが間違ったことを答えてしまいませんか。
心配なら、出典が付く作りと、書いていないことを断定しない作りを選びます。KYRIEは、規程に書いていないことは断定せず「総務へ」とご案内します。規程から答えるときは条番号が付くので、社員も総務もその場で原文を確かめられます。
就業規則が整っていなくても始められますか。
KYRIEは、いまある形のままで構いません。ただし、規程に書いていないことは答えられません。答えられない質問が多く出た場合は、それ自体が「規程のどこが足りないか」の一覧になります。
社員の個人情報を渡すことになりますか。
規程に答える段階なら、預けるのは就業規則と諸規程です。KYRIEでは、総務に流れた質問と答えられなかった質問は記録します。個人の勤怠・給与のデータを扱うのは、アドバンス以上で連携を行った場合に限られます。データの取り扱いは、契約時に書面でお約束します。
LINEの自動応答では足りませんか。
規程に答えるだけなら、LINE公式アカウントの機能(事前に登録したQ&Aから返すもの)で近いことができます。その社員の数字で答えることと、申請書づくりは、その機能ではできません。そこまで求めるかどうかで判断します。
勤怠や給与をExcelで管理していても、本人のデータで答えられますか。
KYRIEアドバンスでは、つなぎ方をお使いの形に合わせて弊社が決めます。最初の打ち合わせで、いまのシステムと台帳の形を伺ってから、つなぎ込みの方法と費用をお出しします。
まとめ
総務の問い合わせにAIで答える仕組みは、「規程に答える部分」と「本人のデータで答える部分」を分けると選びやすくなります。規程に答える部分は、出典が付くか、書いていないことを断定しないか、社員がどこから聞くか、作った後の更新を誰がやるかで比べます。本人のデータまで扱うなら、本人確認と、ほかの社員の分を答えない仕組み、つなぐデータの決め方を確かめます。まずは自社に届く質問がどちらに寄っているかを数え、デモで実際に聞いてみるところから始めてください。
総務の問い合わせを、LINEで答える形にしたい方へ
KYRIEは、架空の会社の就業規則で動くデモを、無料・登録不要でその場で試せます。






